KAIRAKU



 ギルベルトからの執拗なまでの刺激を受け続けた菊は体を支え続けてきた腕から力が抜け、腰を上げたまま上半身を床と密着させた。ぐちゃりと少しでも中をかき回されるたびに菊の体は小刻みに揺れ、ギルベルトの目を楽しませる。「なぁ、もういいか――?」問いかける言葉は優しく、けれど菊の背中を見続ける視線は紛うことなく捕食者が見せる眼差しで菊はもう逃げられないのだと、喰われてしまうのだと――悟った。

 指は直接中をかき混ぜながら、ギルベルトの下は執拗なまでに後ろの穴に舌をははわす。時折陰茎を唇ではまれ、否が応にも菊の快楽の波は強くなってゆく。ギルベルト自身、菊がどこをどう触られればイイのか熟知しているからこそ、微妙に気持ちのいいポイントをずらしながらまるで無邪気に遊ぶ子供のように菊の体を使って遊び続ける。菊がいい声で鳴くのを楽しみに待ちながら。

 ふるふると震えながら、それでも懸命に菊は声を出すのを我慢しようとする。己の手の甲で唇を塞ぎ、喘ぎ声になりかけの声を出しながら。そんな菊に嗜虐心を煽られてしまったギルベルトは手を休めるどころがさらに菊の中を遠慮なくかき混ぜ、体を震えさせる。下着の中で張り詰めたモノに手を差し伸べ、扱き初めて。

 甲高い喘ぎ声を上げながら、体を震わせた菊はへにゃりと力なく床に崩れた。煽られるまま、欲望のままに達してしまったことの罪悪感が菊の下着の中で存在を主張し、ねっとりとした感触が気持ち悪くて仕方がない。なのに、ギルベルトはお構いなく菊が出した精液を指で拭い、それを菊に見せ付けるように舐めてゆく。美味そうに指に絡んだソレをしゃぶるかのように。――カッ! と菊の体は再び熱が篭る。煽られるままさらに気持ちいことを求めて。

 既に体から力が抜けてしまった菊を抱きかかえるように持ち上げ下着をずらす。「力抜けよ?」かりっと耳を噛みながら猛りきったギルベルトのモノが菊の中へと侵入してゆく。菊が息をはくたびにそれは深さく刺さり込んでゆき菊に強い圧迫感を与える。ぱくぱくと口を動かし、懸命に呼吸しようとする菊の首筋に一つ口付けて更にギルベルトは容赦なく己自身を菊の再奥へと押しこんだ。

 悲鳴すら上げることの出来なかった菊は強い刺激に首を振りながら懸命にギルベルトに縋ろうと腕を伸ばす。その掌に口付けたあと、ギルベルトは菊の名を呼びながらぎゅっと隙間なく抱きしめた。吸って、吐いてを繰り返しやっとのことで菊の呼吸が安定したのを見届けたギルベルトは「いいか?」と囁き、菊が頷いたのを見て律動を開始させる。浅く深く、円を描くように動かしギルベルトは菊がイイと感じたところを刺激してゆく。額から流れたギルベルトの汗が菊の体の上にぽたりぽたりと落ち、菊ははにかんだ。

 怒張を増したギルベルトのモノが菊のイイ場所をえぐるたびに柔く絡みつくように締めあげてゆく。快楽に飲まれてゆく菊に喜びを感じながらギルベルトは更に喘がせ、責め立てる。涙で濡れぬれた瞳はいつもよりも黒く見え、宝石のようだとギルベルトに思わせる。どうに濡れた唇が赤く、熟した果実のようで知らず知らずのうちにギルベルトは喉を鳴らしながら喰らいつく。紅い実を喰らい尽くすかのような勢いで。

 普段は菊を思いやってあまり無理なことをしないギルベルトも飢えた本能に屈するのか、こうして遠慮無く菊を貪る時がある。それでもぎりぎりまで思いやる気持ちを忘れないのか、必ず菊自身が数日間の休暇を貰った時のみしかしない。普段の優しく抱かれるときと、ただがむしゃらに獣のように貪りつくそうとするときと――そのどちらも菊にとって愛おしく待ちわびた時間なのだ。貪られ奪われるだけではない。菊自身がギルベルトに与えたくて、彼を癒したくて同意している行為なのだから。――今宵、寝待の月が夜の空に昇ってもなお、二人の行為はとどまることなく続けらら、互いへと与え合った。


    ――― END ―――

【 初出:2012/07/16−Pixiv『 KAIRAKU 』より/某所で書いたままの仕様にてUPさせて頂きました。 】