140字SSりくえすと編―03



→悪魔ギル×妖狐菊//付き合っていない二人

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●菊は満ちた月に誘われるかのように寄るの散歩に出かける。草木が風に揺れ音を成し、木々の葉が風と語らいながら唄を奏でる。それらに耳を傾けながら菊は満ちた月を眺め続けた。今宵の月はひときわ大きく、そして赤い。その姿は怪しいまでに美しく菊は飽きることを知らないまま見知らぬ道を歩むんだ。

●上ばかり見ていた菊は開いていた穴に落ちてしまう。咄嗟に術を口ずさみ発動を試みるも不発に終わってしまう。気が付かずに他者の領域内を侵していたらしい。焦った菊は底に叩きつけられる衝撃に備えて身構える。自分の不甲斐なさに反省しながら。底にぶつかる直前、ぬちゃりとしたものが菊を捉えた。

●ゆらり――。空気が震え、空間が歪み一人の男がその場に現れる。地下に差し込む月明かりを受け、白銀色の髪がさらりと揺れ、閉ざされていた目が開かれ菊は相手の男に魅入った。今宵の月よりも紅い瞳は妖しく輝き、静かな怒りを宿しながら菊を見下ろした。ざわりとその男の魔力が可視化し形を成して。 ●緩やかなカーブを先端に備えたソレは粘度のある液体をまとい、月明かりでてらてらと光を反射させる。菊のふさふさした尻尾はぼわりと大きく膨れ上がり、ソレの意図を理解した。嫌だと言葉を発するよりも先に男が生み出したソレが菊に絡みつき服の中へと入り込む。男は深い笑みを湛え菊へと近づいた。

●男は不躾な視線を投げかけながら黒手袋をはめたままの手で菊の頬を下から上へと撫でた。同時に男の魔力を元に生み出されうねるものは更に数が増やされ菊の素肌を蹂躙し始める。舌のような感触とぬめる液体のもどかしさが菊の劣情を早急に煽り、高められてゆく。菊から溢れ落ちた涙がきらりと輝いて。

●男が自らの魔力で生み出したのは触手と呼ばれうごめく物体だった。ソレが菊の体に絡みつき身動きを封じながら感度のいい場所を好き勝手に刺激してゆく。一部の触手は口が閉じないよう菊に巻き付く。それ故に喘ぎ声を殺せず、ぬちゃりと鳴るいやらしい音と共に空間を満たす。更に菊は劣情を煽られた。

●着ていた菊の衣服はとうに剥ぎ取られ、素肌を月明かりに晒しながらよがる。触手の先端が菊の尻尾に絡みつきながら根本をぐにぐにと刺激する。途端に菊の腰にずしりと重いものを感じ、蕩け切っていた目が見開かれ鼻息が更に荒くなる。続け様に肛門の縁を刺激されぞわりとしたものが菊の背中を駆ける。

●空中に座りながら足を組んでいた男は立ち上がり、菊の首筋に噛み付いた。じわりと入り込む液体に身を震わせながら菊は初めて絶頂を迎えてしまう。達してしまった自分を信じたくなくて菊は泣きながら首を左右に振る。感情がぐちゃちゃになって。そして、嫌悪感を一度も感じなかった事実に気が付いた。

●きつい眼差しを向けていた男の目が和らぎ、菊の頭を撫でる。その仕草に菊の鼓動は跳ね上がった。そのまま力を抜いてろ――と低い声が菊の鼓膜を揺さぶられ反射的に頷いた。いい子だ、と褒められた直後、男は懐から取り出した小瓶の中身を菊の肛門へ塗りつけられ、その冷たさに体が跳ねてしまう。

●口に巻き付いていた触手から解き放たれた菊は侵入してきた指の動きに翻弄されるまま、男の肩に噛み付いた。ぐちゃりぬちゃりと音を立てて菊の内側を押し広げられる。一本、また一本と指を増やされそのたびに快楽の波に飲み込まれてゆく。理性をとうに手放した菊はもっと、と切なげに鳴き始めた――。

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【 初出:2012/09/09−Pixiv『 140字SSりくえすと編―03 』より 】
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