140字SSまとめログ―03



おすすめぷにちより『ギルベルト(着ぐるみ)×菊(ずぶぬれ)』

●顔を歪ませ唇を噛み締め、それでも決して俯くことなく雨に打たれながら歩く姿をみてギルベルトはとっさに体が動いてしまった。休憩中なのを良いことに年下くらいの青年に持っていた傘を無言で押し付け、ついでとばかりに濡れている髪を手荒くタオルで拭く。元気だせ、と言えない代わりに頭を撫でて。

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●雲に囚われた月は陰り寝待の夜を更に秘めやかなものとした。日本はプロイセンから逃げ果せようと身を捩り距離を保とうとする。けれどその距離すらプロイセンには無に等しいようで一瞬の攻防の後、日本は彼の腕の中に引き寄せられ唇を奪われた。荒々しく噛み付くような口付けに否が応にも翻弄される。

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●黒のランニングシャツに薄群青色のシャツを羽織り、生成り色のチノパンを履いた男性は壁に寄りかかりながらカチカチと携帯を弄り続ける。周りにいる女性陣たちの視線を一心に浴びながら気にすることもなく。ときおり口付ける紙コップの中身は珈琲のようで彼に近づけばふわりといい匂いが漂ってくる。

●ここで待ち合わせをしているであろう男性はシャツと同色のハットバンドを巻かれたカンカン帽を被り、色付きのサングラスをかけていた。胸元には十字のアクセサリーが飾られ格好いいのにどこか近寄りがたい雰囲気を醸しだしていた。ただ立っているだけでも十分すぎるほど端整な体つきだと分かるから。
●メールらしき着信音が流れたのを聞き、男性は不意に顔を上げ改札口の方へと視線を向けた。どうやら待ち合わせの人物を見かけたようで男性は近寄りがたかった雰囲気を一変させふわりと嬉しそうに微笑み相手へと駆け寄った。男性よりも小柄な黒髪の青年に抱きつく様は大型犬がじゃれつくようで和んだ。

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●手首は拘束され視覚はネクタイによって奪われた。けれどプロイセンの声に誘導され対面座位の格好で繋がればいつも以上に深く入り込み、強い圧迫感を覚え口がだらしなく開く。利き手を縛られたプロイセンは片腕だけで日本の体を支え、抱きしめる。呼吸を整えろ、と快楽を含んだ熱のある声で囁かれた。

●日本の内壁が蠢き、隙間なくプロイセンのものを締め付ける。その気持ち良さにプロイセンは酔いしれるかのように掠れ艶を帯びた声を漏らす。日本の肩口に顔を埋め、耳元で。熱を帯びた体からはプロイセン特有の香りが匂い立ち、日本はより一層劣情を煽られる。自ら動かなければ快楽を得られないのに。

●深く、深く息を吸って日本はゆるゆると動き出す。羞恥に耐えながら、けれど快楽を得ようと目を伏せる姿は愛おしくてたまらない。火照った触り心地のいい日本の首筋を舐めれば短い喘ぎ声がこぼれ落ち後ろがすぼまった。もっと動いてくれるんだろう? なんて問いかければふるふると日本の体が震えて。

●イきたいのにイけないジレンマは確実に日本の理性を蝕み、より強く本能に呼びかけてゆく。より深く快楽を得ようと。ぎこちなかった当初の動きは薄れ一心に腰を動かし甘ったるい喘ぎ声を聞かせてくれる。恍惚の表情を浮かべ懸命にプロイセンの名を紡ぎ続ける日本に動かないという制約を破り口付けた。

●日本の背中を支えていた手を動かし素肌を堪能し始める。あがる喘ぎ声は高くなり気持ちいのだと分かるとプロイセンは更に行動に移す。目の前にある美味そうな日本の喉元に喰いつき舌を這わせながらもっと喰わせろと囁けば愛おしそうに日本が目を細めた。互いの拘束を外し深く口付け快楽の波へ委ねた。

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【 初出:2012/07/01−Pixiv『 140字SSまとめログ―03 』より 】