140字SSりくえすと編―11



●ギルベルトはその容姿と眼差しの鋭さからよく誤解されていた。もっとちゃんと彼の事を知ればいいのに、と幼いながら菊は幼馴染で同い年のギルベルトのことを思ったことがある。中学生だというのに相変わらずやんちゃで喧嘩っ早くて。その癖彼はさりげない優しさで無意識に人をたらしこめ恋に落とす。

●けれど告白されたと聞かないのは単に相手に告白する勇気がないのか、それとも口にしないだけか分からない。今日も一緒に帰りながら夕日を眩しそうに見つめるギルベルトは格好良いし菊の心を振るわせる。屈託なく笑う表情に、庇ってくれた時のその背中に。残念なイケメンだと思いたくても思えなくて。

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●うーうーと唸りながらボックスティッシュを抱え込みながら日本は鼻をかむ。春先だけでなく秋の花粉症も発祥してしまった日本はまだ薬が効いていないのか目はすっかり潤み、鼻はかみ過ぎて真っ赤になっていた。極力外出せず、花粉を持ち込まないように最新の注意を払いつつもプロイセンは顔を顰めた。

●長期的に体質を改善するしかないか、と辛そうな日本を見てプロイセンはこっそり食事療法を調べておこうと決意する。それともまた花粉を避けてドイツに連れて帰ってしまおうか? なんてことを考えてしまい苦笑いした。もっとも本人が行くというならばあっさりと連れて帰る算段は既に済ませているが。

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●プロイセンから与えられる快楽はやがて大きなうねりとなり日本を絶頂へと導いた。顔に引っ掛けられた白濁液を指ですくい見せつけるように舐めとる。とろんとした眼差しだった日本は一気に理性を取り戻し羞恥で顔を赤らめた。そんな日本の視界にプロイセンの現状が映り込みむんずと握りしめ微笑んだ。

●同じ男同士で良かった――なんて思いながら笑いかけ、プロイセンの静止の声に聞こえない振りしたままベルトとズボンの釦を外し、苦しそうに怒張していた彼のモノを取り出した。一瞬、その大きさに怯みながら日本は先端をぺろりと口付けた。一気に顔が赤くなったプロイセンにほくそ笑みながら舐めて。

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●庭に足を投げ出すように縁側に座り、プロイセンはお盆の上にあるお茶と饅頭に舌鼓を打つ。2個、3個と食べ終えお茶で喉を潤しながら隣に座っている日本を盗み見る。見ればちょうど2個目の饅頭に食いついたところだったようでその瞬間の表情がなんとも言えずプロイセンの手は日本の頭を撫で始めた。

●微笑ましいというか和むというか。美味しい物を食べているときの日本の表情は自然と緩みあまり変わることのない表情に優しさと温かみが宿る。黒く見える美しい目は如実に日本の心情を表しきらきらと輝かせながら嬉しそうに細められるのだ。そしてそんな日本を見るのが好きだと思わずにはいられない。

●そんなことを食べるときに思うせいか、自然とプロイセンの手は日本に触れる。髪をすき、頭を撫で、頬の輪郭をなぞる。じっと見つめれば視線をあわせまいと黒く見える目がせわしなく動く。気にせず触れて撫で続けていれば諦めたのか日本はふっと体の力を抜いてからプロイセンと視線を絡めてくるのだ。

●擽ったいんですよ? なんてくすくすと笑いながらそれでも日本はプロイセンに止めろとは言わない。暫く撫でられ続ければ猫のように気持ちよさそうに目を閉じてしまう。その時の表情がプロイセンに口付けをねだるようにしか見えずついプロイセンは唇を盗んでしまい、日本に怒られてしまうのだけれど。

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【 初出:2012/10/31−Pixiv『 140字SSりくえすと編―11 』より 】
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